医療事務のための平成20年度の診療報酬改定の概要と解説



7対1入院基本料の基準の見直し

平成20年度 診療報酬改定の概要と解説

平成20年度 診療報酬改定の概要と解説質の高い医療を効率的に提供するために医療機能の分化・連携を推進する視点≫7対1入院基本料の基準の見直し

7対1入院基本料の基準の見直し
産科や小児科をはじめとする病院勤務医の負担の軽減(13)
患者から見て分かりやすく、患者の生活の質(QOL)を高める医療を実現する視点(11)
質の高い医療を効率的に提供するために医療機能の分化・連携を推進する視点(16)
我が国の医療の中で今後重点的に対応していくべきと思われる領域の評価の在り方について検討する視点(12)
医療費の配分の中で効率化の余地があると思われる領域の評価の在り方について検討する視点(5)
後期高齢者の診療報酬について(12)
7対1入院基本料については、平成19年1月の建議を踏まえ、急性期等手厚い看護を必要とする患者の看護必要度を測定する基準を導入するとともに、急性期入院医療に必要な医師等の診療体制に係る基準を導入する。
■ 具体的な内容
1 「看護必要度」基準を満たす場合に算定できる。
(1) 当該病棟に入院している患者の状態を「一般病棟用の重症度・看護必要度に係る評価票」を用いて測定し、モニタリング及び処置等に係る得点(A得点)が2点以上、かつ、患者の状況等に係る得点(B得点)が3点以上の基準を満たす患者を1割以上入院させている場合に算定できる。
(2) 産科患者、小児科患者は、看護必要度測定の対象から除外する。
(3) 救命救急センターを設置する病院は、看護必要度に関する基準にかかわらず、算定できる。
(4) 特定機能病院には適用しない(ただし、患者の看護必要度等に係る評価については実施する。)。
2 「医師配置」基準を満たさない場合は減算とする。
(1) 医師数が当該病棟の入院患者数に対して10分の1以上を満たせない病院については、7対1入院基本料の減算措置を講ずる。ただし、へき地等に所在する病院については、特別な配慮を行う。
(2) 特定機能病院には適用しない。
準7対1入院基本料 1,495点(7対1入院基本料から60点減じた点数)
へき地等の場合は、1,525点(7対1入院基本料から30点減じた点数)
[経過措置]
  1. 準備期間を設け、平成20年7月1日実施とする。
  2. 平成20年3月31日時点で7対1入院基本料を算定する病棟であって、平成20年4月1日以降において10対1入院基本料を算定する病棟に限り、平成22年3月31日までの間看護補助加算2(84点)又は看護補助加算3(56点)を算定できる
[7対1入院基本料改正基準の導入と経過措置について]
7対1入院基本料改正基準の導入と経過措置について
一般病棟用の重症度・看護必要度に係る評価票
一般病棟用の重症度・看護必要度に係る評価票
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■ 解説
7対1入院基本料は、前回改定で創設されましたが、国立大学病院の大量採用活動で新卒看護師を中心に需要体制に大きな変化が起きました。
多くの病院が7対1取得を目指したのは10対1と比較すると患者1人1日あたり286点アップという大きなインセンティブがあったためです。
7対1の07年5月1日時点の届出は、一般病棟入院基本料787病院(16万2730床、23.1%)、特定機能病院27病院(2万3178床、36.5%)、両方あわせて814施設となりました。
特徴は、医療法人の民間病院が多く、さらに199床以下の中小病院が56.5%と半数を占めました。
ただし、小規模病院では7対1取得が大病院と比較すると容易になりました。
重症度に関係なく届出可能なことを問題にした中医協では07年1月に「(7対1が)急性期等手厚い看護が必要な入院患者が多い病院等に限って届出を可能にする」という建議書を厚労大臣に提出しました。

それらを受けての今回の看護必要度導入です。具体的には「一般病棟用の重症度・看護必要度に係る評価票」を用いて測定し、モニタリング及び処置等に係る得点(A得点)が2点以上、かつ、患者の状況等に係る得点(B得点)が3点以上の基準を満たす患者を1割以上入院させている場合に算定としました。
通常の急性期患者を受け入れている病院だと1割以上は確実に入院していると思います。厚労省も要件を満たさなくなる病院は2割程度と見ています。また、医師数が当該病棟の入院患者数に対して10分の1以上を満たせない病院は準7対1入院基本料1495点(▲60点)、へき地等の場合は1525点(▲30点)を算定します。

実施は経過措置を設けて平成20年7月1日実施ですが、平成20年3月31日時点で7対1入院基本料を算定する病棟であって平成20年4月1日以降に看護必要度を満たさなくなり10対1入院基本料を算定する病棟に限り、平成22年3月31日までの間、看護補助加算2(84点)または3(56点)が算定可能とされました。

もちろん、もともと10対1の病院では看護補助加算は算定できません。あくまでも7対1から10対1に引き下げざるを得ない病院への2年間の臨時的措置です。
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