医療事務のための平成20年度の診療報酬改定の概要と解説



DPCに係る制度運用の改善

平成20年度 診療報酬改定の概要と解説

平成20年度 診療報酬改定の概要と解説質の高い医療を効率的に提供するために医療機能の分化・連携を推進する視点≫DPCに係る制度運用の改善

DPCに係る制度運用の改善
産科や小児科をはじめとする病院勤務医の負担の軽減(13)
患者から見て分かりやすく、患者の生活の質(QOL)を高める医療を実現する視点(11)
質の高い医療を効率的に提供するために医療機能の分化・連携を推進する視点(16)
我が国の医療の中で今後重点的に対応していくべきと思われる領域の評価の在り方について検討する視点(12)
医療費の配分の中で効率化の余地があると思われる領域の評価の在り方について検討する視点(5)
後期高齢者の診療報酬について(12)
DPCに関しては、現在360病院が対象となっているが、平成18年度DPC準備病院のうち、平成18年度基準及び新たな基準を満たした病院についてDPCの対象とする。
また、DPCの診療報酬については、適切な算定ルール等を導入すること等の制度運用の改善を図る。
■ 具体的な内容
1 DPC対象病院の拡大について
(1) 平成19年度DPC対象病院の基準として、平成18年度基準のほかに、2年間の適切なデータの提出及び(データ/病床)比が10ヶ月で8.75以上という要件を加える。
(2) 平成20年度に新たにDPCの対象となる医療機関は平成18年度 DPC準備病院(371病院)のうち、基準を満たしたものとする。
(3) 平成19年度 DPC準備病院については、平成21年度にDPCの対象とすべきか検討することとするが、その基準は、その時点におけるDPC対象病院に適用される基準と同じものとする。
2 算定ルール及び診断群分類の見直しについて
(1) 算定ルールの見直しについて
ア 3日以内の再入院については、1入院として取り扱う等の算定ルールの見直しを行う。
イ DPCにおける診療報酬明細書の提出時に、包括評価部分に係る診療行為の内容が分かる情報も加える。
(2) 診断群分類の見直し等について
ア MDC16(外傷・熱傷・中毒、精神、その他)をMDC16(外傷・熱傷・中毒)、MDC17(精神疾患)及びMDC18(その他)に分割する。
イ 診断群分類の分岐については、がん化学療法の主要な標準レジメンで分岐を行うことなどの精緻化を行う一方、類似疾病の発症部位等による分岐を整理するなど簡素化を行う。
ウ 診断群分類で分岐が設定されている高額薬剤について、学会等で入院医療での標準的な投与日数が定められている場合には、その投与日数を参考にして、診断群分類の分岐を試行的に導入する。
エ 短期入院が相当程度存在する診断群分類(悪性腫瘍に対する化学療法など)については、前回改定と同様に、より短期の入院を高く評価する仕組(入院日数の25パーセンタイル値(T日)までの点数の15%加算を、5パーセンタイル値までに繰り上げて設定する見直し)を適用する。
3 調整係数について
(1) 調整係数の算出については、2年間(10か月分)のデータを用いることとする。
(2) 平成20年度診療報酬改定率をDPCの包括部分についても適切に反映するため、DPCの包括部分に係る収入が全体改定率の▲0.82%となるよう、調整係数を設定する。ただし、10:1入院基本料及び特定機能病院・専門病院における14日以内の加算の見直しに伴う係数については、適切に反映されるよう図ることとする。
4 平成20年度以降のDPC制度運用の留意事項について
(1) 平成19年度末時点で、既にDPCの対象となっている病院について、平成18年度から導入された基準(望ましい基準を除く。)を満たせない場合については、DPC対象病院としない。
(2) 平成19年度末時点で、既にDPCの対象となっている病院について、平成20年度から新たに設けられた基準を満たすことができない場合については、平成20年度は、1(1)の基準は適用しない。
(3) 平成20年度以降に看護配置基準を満たせなくなった病院については、再び要件を満たすことができるか判断するため、3か月間の猶予期間を設け、3か月を超えても要件を満たせない場合はDPC対象病院から除外する。
(4) DPC対象病院から除外された場合は、医療機関の希望に応じて、引き続きDPC準備病院として調査に参加し、次回のDPC対象病院拡大の際に、基準を満たした場合には再度DPC対象病院とすることができる。
(5) DPC制度の在り方や調整係数の廃止に伴う新たな機能評価係数等について速やかに検討する。
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■ 解説
急性期の1日当り定額払いのDPCは360の対象病院で病床数は17.7万床あります。08年度は06年度からの準備病院の大部分が対象病院として参加する予定です。

DPC対象またはデータだけ提出する準備病院と合わせると病院数も1000病院を超え、病床数も46万床弱となりました。
ただし、この中には実際にはいわゆる急性期とは言えないような病院も含まれています。
改定では一般病床と療養型の病床をあわせてもつケアミックス病院外しを目的に
@データ(DPCの退院レセプト件数)÷A病床(DPC対象病床)=8.75以上(10ケ月)という基準を復活させてきました。これはケアミックス病院で多くの患者をDPC対象病床から自院の医療療養型等へ転棟させている場合、退院にはならないために分子の@のデータに参入させません。

もちろん、ケアミックス病院であっても一般病床から大部分の患者が退院している場合は8.75未満になることではないでしょう。

また、算定ルールととして「3日以内の再入院は1入院扱い」と意図的な再入院による入院料リセットを防止、さらに実際には該当しないのに点数的に高い診断群で請求するアップコーディング防止のために「DPCレセプトに包括評価部分の診療行為の内容が分かる情報も加える」としました。
これは、包括されている投薬、注射、検査等の項目も全てレセプトに記載するものです。
また、診断群分類関連の見直しを実施して、DPC対象病院の前年度包括部分の収入を保証する調整係数は07年改定率に合わせて全体改定率のマイナス0.82%となるように設定されます。
そして基準を満たさなくなった場合にDPCからはじめまして、ダンゴと申します。ずれるルールが明確にされました。

これまではある程度、フリーアクセスで参加できたDPCもいよいよ拡大と同時に選別の時代に入ったようです。
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