医療事務のための平成20年度の診療報酬改定の概要と解説



認知症患者紹介加算、認知症病棟入院料〜認知症に係る医療の評価〜

平成20年度 診療報酬改定の概要と解説

平成20年度 診療報酬改定の概要と解説質の高い医療を効率的に提供するために医療機能の分化・連携を推進する視点≫認知症患者紹介加算、認知症病棟入院料

認知症患者紹介加算、認知症病棟入院料〜認知症に係る医療の評価〜
産科や小児科をはじめとする病院勤務医の負担の軽減(13)
患者から見て分かりやすく、患者の生活の質(QOL)を高める医療を実現する視点(11)
質の高い医療を効率的に提供するために医療機能の分化・連携を推進する視点(16)
我が国の医療の中で今後重点的に対応していくべきと思われる領域の評価の在り方について検討する視点(12)
医療費の配分の中で効率化の余地があると思われる領域の評価の在り方について検討する視点(5)
後期高齢者の診療報酬について(12)
平成19年4月に取りまとめられた「新健康フロンティア戦略」においては、認知症のステージに合わせた対策が必要とされており、これに沿った高齢者支援体制整備が急務となっている。この中で、医療体制の役割としては、@鑑別診断、A周辺症状への対応、B身体合併症への対応、に関する体制整備が求められていることから、診療報酬上必要な評価を行う。
1 鑑別診断につなげるための評価
今後、後期高齢者が増加することに伴い、認知症の早期発見が重要な課題となっていることから、かかりつけ医が認知症の疑われる患者を早期に発見し、専門医療機関に紹介した場合を評価する。
2 周辺症状に対する手厚い医療への評価
認知症患者の入院医療については、特に入院早期におけるせん妄等の周辺症状に対して、より手厚い医療が必要とされるため、入院早期の評価を充実し、一方、入院期間が長期に渡る場合には、評価を見直す。
3 身体合併症に対する手厚い医療への評価(後述)
精神病床に入院している精神障害者のうち、身体疾患を併せ持つ患者に対して、一定の身体疾患の治療体制を確保している医療機関における手厚い医療について評価を行う。
■ 具体的な内容
1 鑑別診断につなげるための評価
認知症の疑われる患者について、医師が専門医療機関での鑑別診断等の必要を認め、当該患者又はその家族の同意を得て、専門医療機関に対して、診療状況を示す文章等を添えて患者の紹介を行った場合に、診療情報提供料(T)に対する加算を創設する。
認知症患者紹介加算 100点(1回につき)
2 周辺症状に対する手厚い医療への評価
老人性認知症疾患治療病棟入院料1及び2において、周辺症状に対してより手厚い医療が必要な90日以内の入院期間について評価を引き上げ、91日以上の入院期間についての評価を引き下げる。また、当該病棟の入院対象となる患者は老人に限られないことから、名称を認知症病棟入院料に改める。
現 行 改正案
【老人性認知症疾患治療病棟入院料1
(1日につき)
イ 90日以内の期間 1,300点
ロ 91日以上の期間 1,190点
【老人性認知症疾患治療病棟入院料2】
(1日につき)
イ 90日以内の期間 1,060点
ロ 91日以上の期間 1,030点
【認知症病棟入院料1】
(1日につき)
イ 90日以内の期間 1,330点
ロ 91日以上の期間 1,180点
【認知症病棟入院料2】
(1日につき)
イ 90日以内の期間 1,070点
ロ 91日以上の期間 1,020点
3 身体合併症に対する手厚い医療への評価(後述)
身体合併症に対応した取組に係る評価について」を参照。
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■ 解説
高齢化にともない認知症患者は2005年で169万人、2015年には250万人と推測されています。
実は認知症高齢者の80%がかかりつけ医を受診しているにも関わらず、認知症疾患の診断を受けている人は20%程度という報告もあって早期の鑑別診断が課題になっています。
そのため、診療情報提供料(T)に専門医へ紹介した場合の認知症患者紹介加算100点(1回につき)が新設されました。
老人性認知症疾患治療病棟入院料1及び2の90日以内の入院期間は点数引き上げ、91日以上は引き下げられます。
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