医療事務のための平成20年度の診療報酬改定の概要と解説



後期高齢者診療料について

平成20年度 診療報酬改定の概要と解説

平成20年度 診療報酬改定の概要と解説後期高齢者の診療報酬について≫後期高齢者診療料について

後期高齢者の継続的な管理の評価(後期高齢者診療料について)
産科や小児科をはじめとする病院勤務医の負担の軽減(13)
患者から見て分かりやすく、患者の生活の質(QOL)を高める医療を実現する視点(11)
質の高い医療を効率的に提供するために医療機能の分化・連携を推進する視点(16)
我が国の医療の中で今後重点的に対応していくべきと思われる領域の評価の在り方について検討する視点(12)
医療費の配分の中で効率化の余地があると思われる領域の評価の在り方について検討する視点(5)
後期高齢者の診療報酬について(12)
後期高齢者の外来医療に当たっては、治療の長期化、複数疾患のり患といった心身の特性等を踏まえ、慢性疾患等に対する継続的な管理を行うことを評価する。
■ 具体的な内容
患者の同意を得た上で他の医療機関での診療スケジュール等を含め、定期的に診療計画を作成し、総合的な評価や検査等を通じて患者を把握し、継続的に診療を行うことを評価する。

後期高齢者診療料 600点(月1回)

[算定要件]
  1. 保険医療機関である診療所又は当該病院を中心とした半径4キロメートル以内に診療所が存在しない病院
  2. 入院中の患者以外の患者であって別に厚生労働大臣が定める慢性疾患を主病とするものに対して、後期高齢者の心身の特性を踏まえ、患者の同意を得て診療計画を定期的に策定し、計画的な医学管理の下に、栄養、運動又は日常生活その他療養上必要な指導及び診療を行った場合に算定できる
  3. 診療計画には、療養上必要な指導及び診療内容、他の保健・医療・福祉サービスとの連携等を記載すること
  4. 毎回の診療の際に服薬状況等について確認するとともに、院内処方を行う場合には、経時的に薬剤服用歴が管理できるような手帳等に薬剤名を記載する
  5. 患者の主病と認められる慢性疾患の診療を行う1保険医療機関のみにおいて算定する
  6. 当該患者に対して行われた医学管理等、検査、画像診断、処置は後期高齢者診療料に含まれる。ただし、病状の急性増悪時に実施した検査、画像診断及び処置のうち、550点以上の項目については別途算定できる
  7. 当該診療所(又は医療機関)に次のそれぞれ内容を含めた研修を受けた常勤の医師がいること
    (研修事項)
     高齢者の心身の特性等に関する講義を中心とした研修
     診療計画の策定や高齢者の機能評価の方法に係る研修
[対象疾患]

糖尿病、脂質異常症、高血圧性疾患、認知症、結核、甲状腺障害、不整脈、心不全、脳血管疾患、喘息、気管支拡張症、胃潰瘍、アルコール性慢性膵炎

■ サイト利用者からの情報
対象疾患:糖尿病・脂質異常症・高血圧性疾患・認知症・結核・甲状腺障害・不整脈・心不全・脳血管疾患・喘息・気管支拡張症・胃潰瘍・アルコール性慢性膵炎。
特定疾患では対象となっている胃炎などはこの診療料の対象からは外れているようです。 

【算定の運用について】
 この診療料を算定する患者さんについて翌月から出来高にすることは出来るけれども、急性増悪を理由にさかのぼって出来高にすることはできない。 
 算定後急性増悪し、自院に入院しても算定は可能。 

 特定疾患療養管理との関係については現在確認中ですのではっきりとは言えませんが、
後期高齢者は特定疾患療養管理料の算定はできないのではという話でした。
たとえ、後期高齢者診療料を算定していなくてもです。・・・困ったものです。 
 近日中に回答があるはずですので、なんとか算定できるようになればと思っています。    
 
 今回の診療報酬改定は現在も協議が行われているらしく細かい内容が決定されいままの運用開始となり、かなりの混乱が事務サイドで予想されます。また、疑義解釈も4月に入ってから更新されるようです。
(冷え症さん)
【後期高齢者診療料と特定疾患療養管理料の関係について】重要!
後期高齢者については、後期高齢者診療料を算定している医療機関が別に存在すれば、他の医療機関では特定疾患療養管理を算定できません。
 これは、後期高齢者診療料を算定している医療機関が全身の管理も行っていると解釈されるためです。
 逆に言うなれば、他の医療機関で後期高齢者診療料を算定していなければ、特定疾患はいづれの医療機関でも要件を満たせば算定できることになりますので、多くの医師会単位で現在”後期高齢者診療料”を算定しないようにしようという働きかけが出てきているようです。
(冷え症さん)
他院で後期高齢者診療料を算定している場合の、自院での特定疾患療養管理料の算定についてですが、
こちらの保険医協会の現時点での見解では算定は可能です、とのことでした。曰く、
これまでの厚労省の通知で、後期高齢者診療料に関するところにも特定疾患療養管理料に関するところにも、他院での算定を理由に算定に制限を加えるという内容は明示されておらず、明示されていない以上は現時点では算定して差し支えない

ということでした。

現時点でのこのケースでの自院・他院を問わず重複算定を不可とする判断の根拠は、後期高齢者診療料の細則(11)〜(15)あたりでしょうか?

(保医発第0305001号
診療報酬の算定方法の制定等に伴う実施上の留意事項について
医学管理等の32ページを参照のこと)

これについても複数の医療機関で、例えばA診療所で高血圧を主病に、呼吸器が専門のB診療所では喘息を主に治療しているケースなどがあるとすると、ABどちらが主となるのかは判断のしようがないのではないでしょうか?

あくまでこの細則は同一の医療機関での、複数診療科にわたる算定についてのしばりであると解釈であると判断できるとのこと。

ただし厚労省の意図するところは明白ではあるので(高齢者の受診医療機関が複数にわたることを制限したいのでしょう)
今後新たな通知が出される可能性はあるかもしれません、ということでもありましたが…。
(くりぼうずさん)
■ 質問と回答
Q:例えば、
 A診療所で糖尿病を主病で受診
  ≪後期高齢者診療料を算定≫

 B診療所で厚労省が定める慢性疾患以外での受診
  ≪後期高齢者診療料に包括されている検査・画像診断を実施≫

この場合、B診療所では、実施した検査等は算定できるのですか?
厚労省の考えからみると、算定できないのかな?と感じています。
算定可能だと思います。当県の説明会では医学管理については少し問題提起がありましたが、それ以外の処置・検査・画像診断等は算定可能のようでした。
しかしながら、当医師会でもこの診療料には強制ではないものの算定抑制依頼がありました。
当院では届け出も行わず当然算定もしないということで落ち着きましたが、患者様の中では他院で算定されたが意味もわからず、他の病院に受診できなくなったと不満をぶちまけておられる方もいらっしゃいました。
(回答者 冷え症さん)
ご指摘のようなケースでは、現時点ではB診療所の算定が制限されることはないはずです。しかしながら冷え性さんのご指摘のように、今後主治医となった医院以外の他院への受診や、診療行為その算定について、何らかの制限が課されるような方向性が検討されているのは間違いないようです。

ご指摘のケースでも、必要な検査は主治医である(後期高齢者診療料を算定している)A診療所で行うべきで、B診療所では行えない。もしくはA診療所で何ヶ月以内に行っている場合は、算定不可などというケースも今後の改定(改悪!!)次第では現実になるのかもしれません。
(回答者 くりぼうずさん)
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■ 解説
医療機関へのフリーアクセス阻害や登録医制による人頭払いにつながるのではないかという危惧のあった後期高齢者の外来包括点数が、「後期高齢者診療料」です。
最終的には他医療機関の受診を制限するものではありませんが、後期高齢者診療料自体は患者の主病と認められる慢性疾患の診療を行う1保険医療機関のみで算定となりました。

点数は600点(月1回)で原則は診療所だけの算定ですが地域では半径4キロ以内に診療所がない病院でも算定可能です。(しかしこれは稀です)

包括点数範囲は医学管理等、検査、画像診断、処置になり、病状の急性増悪時に実施した検査、画像診断及び処置のうち550点以上の項目は別途出来高算定可能です。
従来の老人外総診は投薬、注射も包括でしたが、後期高齢者診療料は出来高になっています。

初診月及び退院した日に属する月は算定できません。
包括されない医学管理等】
診療情報提供料(T)及び(U)、後期高齢者外来継続指導料、後期高齢者終末期相談支援料
【算定できない患者】
第2部在宅医療(往診料を除く)を算定している場合は算定しない。
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