医療事務のための平成20年度の診療報酬改定の概要と解説



後発医薬品の使用促進等

平成20年度 診療報酬改定の概要と解説

平成20年度 診療報酬改定の概要と解説医療費の配分の中で効率化の余地があると思われる領域の評価の在り方について検討する視点≫後発医薬品の使用促進等

後発医薬品の使用促進等
産科や小児科をはじめとする病院勤務医の負担の軽減(13)
患者から見て分かりやすく、患者の生活の質(QOL)を高める医療を実現する視点(11)
質の高い医療を効率的に提供するために医療機能の分化・連携を推進する視点(16)
我が国の医療の中で今後重点的に対応していくべきと思われる領域の評価の在り方について検討する視点(12)
医療費の配分の中で効率化の余地があると思われる領域の評価の在り方について検討する視点(5)
後期高齢者の診療報酬について(12)
これまで、後発医薬品の使用促進のため、処方せんに「後発医薬品への変更可」のチェック欄を設け、処方医が、処方せんに記載した先発医薬品を後発医薬品に変更して差し支えない旨の意思表示を行いやすくするなどの対応を行ってきたが、後発医薬品に変更された処方せんの割合はまだ低いため、後発医薬品の更なる使用促進のために、「後発医薬品の使用促進のための環境整備の骨子」に基づき、環境整備を行う。
■ 具体的な内容
1 処方せん様式の変更
処方せんの様式を変更し、処方医が、後発医薬品に変更することに差し支えがあると判断した場合に、その意思表示として、所定のチェック欄に、署名又は記名・押印することとする。(別紙)
※ 処方医が、処方せんに記載した先発医薬品の一部についてのみ後発医薬品への変更に差し支えがあると判断した場合には、「後発医薬品への変更不可」欄に署名又は記名・押印を行わず、当該先発医薬品の銘柄名の近傍に「変更不可」と記載するなど、患者及び処方せんに基づき調剤を行う薬局の薬剤師いずれもが、明確に変更不可であることが分かるように、記載することとする
※ 薬局においては、「後発医薬品への変更不可」欄に処方医の署名又は記名・押印がない処方せんを受け付けた場合は、患者の選択に基づき、先発医薬品(処方医が変更不可とした先発医薬品を除く。)を、後発医薬品に変更することができることとする
2 後発医薬品の薬局での銘柄変更調剤
(1) 処方医が、処方せんに記載した後発医薬品の一部について他の銘柄の後発医薬品への変更に差し支えがあると判断した場合には、「後発医薬品への変更不可」欄に署名等を行わず、当該後発医薬品の銘柄名の近傍に「変更不可」と記載するなど、患者及び薬局の薬剤師にも明確に変更不可であることが分かるように、記載することとする。
(2) 後発医薬品の銘柄を指定した処方が多いことによる薬局の負担軽減を図るため、「変更不可」欄に署名等がない処方せんに記載された後発医薬品(処方医が変更不可とした後発医薬品を除く。)については、それを受け付けた薬局の薬剤師が、患者に対して説明し、その同意を得ることを前提に、処方医に改めて確認することなく、別銘柄の後発医薬品を調剤できることとする。
3 薬局の調剤基本料の見直しと後発医薬品の調剤率を踏まえた評価
薬局における後発医薬品の調剤を促進する観点から、後発医薬品の調剤に要するコストの負担に鑑み、薬局の調剤基本料を引き下げた上で、後発医薬品の調剤率が30%以上の場合の加算を創設することとする。
(1) 調剤基本料
現 行 改正案
【調剤基本料】(処方せんの受付1回につき)
42点
処方せんの受付回数が1月に4,000回
を超える保険薬局(特定の保険医療機関に係
る処方せんによる調剤の割合が70%を超
えるものに限る。)においては、所定点数に
かかわらず処方せん受付1回につき19点
を算定する。
【調剤基本料】(処方せんの受付1回につき)
40点
処方せんの受付回数が1月に4,000回
を超える保険薬局(特定の保険医療機関に係
る処方せんによる調剤の割合が70%を超
えるものに限る。)においては、所定点数に
かかわらず処方せん受付1回につき18点
を算定する。

(2) 後発医薬品調剤体制加算 4点
[施設基準]
  1. 直近3か月間の当該保険薬局における処方せんの受付回数のうち、後発医薬品を調剤した処方せんの受付回数の割合が30%以上であること
  2. 後発医薬品調剤に積極的に対応している薬局である旨を、分かりやすい場所に掲示していること
4 後発医薬品を含む処方に係る処方せん料の見直し
処方せん様式の変更に伴い、「変更不可」欄に署名等がない処方せんが数多く患者に交付されることが予想されることから、これまで後発医薬品の処方を促進するために行ってきた処方せん料の評価については廃止することとする。
現 行 改正案
【処方せん料】
1 7種類以上の内服薬の投薬(臨時の投薬
であって、投薬期間が2週間以内のものを
除く。)を行った場合
イ 後発医薬品を含む場合 42点
ロ イ以外の場合 40点
2 1以外の場合
イ 後発医薬品を含む場合 70点
ロ イ以外の場合 68点
【処方せん料】
1 7種類以上の内服薬の投薬(臨時の投薬
であって、投薬期間が2週間以内のものを
除く。)を行った場合 40点
2 1以外の場合 68点
5 薬局における後発医薬品の分割調剤の実施
後発医薬品に対する患者の不安を和らげるため、薬局において、「変更不可」欄に署名等がない処方せんに基づき初めて先発医薬品から後発医薬品に変更して調剤する際に、患者の同意を得て、短期間、後発医薬品を試せるように調剤期間を分割して調剤することを、新たに、分割調剤を行うことができる場合に追加することとする。
※ 分割調剤を行った場合には、薬局から処方せんを発行した保険医療機関に、その旨を連絡するものとする。
※ 2回目の調剤を行う際には、先発医薬品から後発医薬品への変更による患者の体調の変化、副作用が疑われる症状の有無等を確認するとともに、患者の意向を踏まえ、後発医薬品の調剤又は変更前の先発医薬品の調剤を行う。当該調剤においては、薬学管理料(薬剤服用歴管理指導料、薬剤情報提供料及び後期高齢者薬剤服用歴管理指導料を除く。)を算定しない。
後発医薬品分割調剤 5点
6 先発医薬品から後発医薬品への変更調剤等に関する薬局から医療機関への情報提供
薬局において、「変更不可」欄に署名等がない処方せんに基づき、先発医薬品から後発医薬品への変更調剤及び後発医薬品の銘柄変更調剤を行った場合には、後発医薬品調剤加算を算定するに当たって、原則として、調剤した薬剤の銘柄等について、当該処方せんを発行した保険医療機関に情報提供することとする。
7 保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則等の改正
後発医薬品の使用を促進するため、保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則、保険医療機関及び保険医療担当規則等において、以下のとおり規定する。
(1) 保険薬局は、後発医薬品の備蓄に関する体制その他の後発医薬品の調剤に必要な体制の確保に努めなければならない。
(2) 保険薬剤師は、処方せんに記載された医薬品に係る後発医薬品が薬価収載されている場合であって、処方せんを発行した保険医等が後発医薬品への変更を認めているときは、患者に対して、後発医薬品に関する説明を適切に行わなければならない。この場合において、保険薬剤師は、後発医薬品を調剤するよう努めなければならない。
(3) 保険医は、投薬、処方せんの交付又は注射を行うに当たっては、後発医薬品の使用を考慮するよう努めなければならない。
新たな処方せんの様式(案)
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■ 解説
薬局では「後発医薬品への変更不可」欄に処方医の署名又は記名・押印がない処方せんを受け付けた場合は患者の選択に基づき、先発医薬品(処方医が変更不可とした先発医薬品は除く)を後発医薬品に変更することが可能となりました。

薬局では「変更不可」欄に署名等がない処方せんに記載された後発医薬品の別銘柄の後発医薬品処方については処方医に改めて確認する必要がありません。
処方せん様式の変更に伴い後発医薬品の処方を促進するために行ってきた書法せん料の評価2点は廃止されました。
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